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日本市場に特化した電力取引リスク管理サービス ARECCIA®.PRSの提供を開始 2024.10.29

アレクシアフィンテック株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山崎 裕、以下「当社」)は、2024年10月29日に発電事業者・小売電気事業者向けに電力取引リスク管理サービス「ARECCIA®.PRS:Power Risk Suite(アレクシア・ピーアールエス)」の提供を開始することをお知らせいたします。
近年の地政学リスクの高まりと異常気象を背景に、電力取引の価格変動リスクを積極的にコントロールするニーズが高まっています。既に、大手発電事業者の一部では、燃料調達から発電に至るまで、エネルギー全般のリスク管理を可能とする海外製ETRM(Energy Trading and Risk Management)システムを利用したリスク管理が実践されている一方で、その導入・運用コストの高さから、小売電気事業者に広く普及するには至っていません。
このような背景から、当社は株式会社Power Risk Management & Solutionsとの協業で、当社が長年培ってきた金融機関向けリスク管理システムARECCIA®を電力トレーディング分野に転用し同市場に参入することを決定しました。

■ARECCIA®.PRSのサービス概要
当社は日本の市場に特化した普及型の電力取引リスク管理サービス「ARECCIA®.PRS 」をSaaSとして提供します。
本サービスは、以下の4つのサービス・モジュールで構成され、今回は①「ARECCIA®.PCG(アレクシア・ピーシージー)」と②「ARECCIA®.PPS(アレクシア・ピーピーエス)」の2つのサービスをリリースし、残る2つのサービス(下記の③および④)を2025年度中にリリースする予定です。

① 電力フォワードカーブの生成(ARECCIA®.PCG:Power Curve Generator 以下「PCG」)
電力フォワードカーブ(PFIX)とディスカウントカーブ(DFC)を算出します。PFIXは電力先物価格より計算したマーケットフォワードカーブです。DFCは金利とPFIXから計算し、電力取引のコンビニエンスイールドも考慮されます。

② 電力オプション取引の価格計算(ARECCIA®.PPS:Power Price Simulator 以下「PPS」)
将来の電力価格のモンテカルロシミュレーションを実行します。評価にはOU過程(Ornstein-Uhlenbeck process)とジャンプ過程を採用し、電気料金の市場連動メニューに上限/下限価格(Cap/Floor)を設定するためのオプション価格を計算します。

③ 電力取引のポジション管理(ARECCIA®.PPM:Power Position Manager)
電力契約の属性(エリア、基本料金、従量料金など)から①と②を利用し、時価評価、将来収益、デルタマップの計算等を行います。

④ 電力取引のリスク分析(ARECCIA®.PRA:Power Risk Analyzer)
①~③の機能を利用し、モンテカルロシミュレーションで、電力ポジションが内包する期間損益の変動リスク(EaR:Earning at Risk) や資産価値の変動リスク(VaR:Value at Risk) を計測します。

■ARECCIA®.PRSの特徴

① 日本の電力取引リスク管理に特化
燃料取引(ガス、石油、石炭等)の管理には立ち入らず、日本の電力取引のみを管理対象とします。これによりシステムの運用もシンプルになります。

② 利用中のエクセル(Microsoft Excel)資産が活用可能
電力取引契約をエクセルで管理しているお客様は、いまご利用中のエクセル・シートにPCGが出力するデータを取込むことで、電力取引の時価評価額と将来損益を試算することが可能となります。

③ 市場連動型の電気料金メニューの開発を支援
PPSを利用することで、市場連動型の電気料金メニューで課題となる、価格高騰時に需要家を保護する保険(オプション)のコストを様々な条件設定下で試算することが可能となります。

④ 学習ツールとして利用可能
PCGとPPSは、計算結果の詳細がエクセル・シートに展開されるため、リスク管理の入門者には学習ツールとしてもご利用いただけます。

⑤ リスクを直感的に把握
PPSの高度なシミュレーション結果は、ドリルダウン可能なグラフとして表示されるため、マクロ/ミクロの2つの視点で直感的にリスクを捉えることができます。

⑥ 他システムとの連携が可能
ARECCIA®.PRS製品ファミリは、小さな機能単位でAPI接続を可能とするため、日本の電力取引に特化した機能群を、ETRM等のシステムに連携することも可能です。

 

■本サービス開発に向けた協業
本サービスを支えるシステムは、株式会社Power Risk Management&Solutionsの監修を受けて、当社の金融機関向けリスク管理システムARECCIA®の電力トレーディング分野への転用を実現しました。

アレクシアフィンテック株式会社(本社: 東京都港区、代表取締役社長: 山崎 裕)
テクマトリックス株式会社(東証プライム:3762)の完全子会社で、1999年の創業以来金融機関向けリスク管理システムARECCIA(旧称Apreccia.3)を手掛けています。

株式会社Power Risk Management&Solutions(本社: 東京都文京区、代表取締役社長: 鮫島 隆太郎)
金融・電力トレーディング、及びリスク管理の経験と国際的な知見を活かし、電力取引の実践的リスク管理のコンサルティングサービスを手掛けています。

 

<本件に関するお問い合わせ先>

アレクシアフィンテック株式会社 営業部  ✉ prs@areccia.co.jp  ☎ 03-4405-7872